【保存版】スキーのカービングターンのやり方5ステップ|できない原因とコツを解説
ゲレンデで、雪面に細い2本の線を残しながら滑る人を見て、「自分もあんなふうに滑りたい」と思ったことはありませんか。
ワタルイメージは以下の動画のような滑り方です。(モデルは僕)
カービングターンは、センスや体力よりも、練習する順番と斜面選びが重要です。(体育なにより一番苦手でしたが、頑張って練習すればこれくらいになります)
この記事では、カービングターンの仕組みや見分け方、練習方法、できない原因までわかりやすく解説します。
カービングターンとは?スキーのエッジで雪を切るように曲がる技術
カービングターンとは、スキーのエッジを使い、板のサイドカーブを活かして曲がるターンのことです。
「カービング(carving)」は英語で「削る・切る」という意味で、板をひねって向きを変えるのではなく、エッジで雪を捉えながら弧を描いていくのが特徴です。
板を傾けてエッジを立てる+荷重が入ると、スキー板は自然にたわみます。
そのたわみと、板の側面にもともと入っているカーブ(サイドカーブ)に沿って進むため、体をひねらなくても板が勝手に曲がってくれる
これがカービングターンの正体です。
ワタル谷回りの必要性を解説した動画ですが以下の動画をみるとイメージがつくかと思います。
カービングとずらしは別物ではなく「板の使い方の量」が違うだけ
カービングターンとずらすターンは、まったく別の技術だと思われがちですが、そうではありません。
どちらも「板を使って曲がる」という目的は同じで、違うのは板が雪の上でズレているのか、エッジが噛んで切れているのか、という差だけです。
料理に例えると分かりやすくなります。包丁で食材を切るとき、やり方にはいくつも種類がありますよね。
- 千切りにする
- ぶつ切りにする
- 細かく刻む
- 軽く切れ目だけ入れる
どれも使っている道具は同じ包丁で、基本的な動作も変わりません。
違うのは
「どれくらい切るか」
「どのように切るか」
ということだけです。
スキーもこれとまったく同じで、
「大きくずらすのか」
「少しだけずらすのか」
「ほとんどズラさずエッジで切るのか」
という板の使い方の量が違うだけです。
カービングターンは、この量を「ズラさない」側に寄せていったターンだと考えてください。
ワタル「ずらしは悪、カービングが正解」ではありません。斜面や雪の状況に応じて、ずらす量を自分で選べるようになることがゴールです。
桃子カービング≒ズラしはほぼ同じだよ!以下の記事の中盤で解説中

カービングターンとフルカービングターンの違い
ここで、混同されやすい言葉を整理しておきます。
「カービングターン」と「フルカービングターン」は同じものではなく、カービングターンという大きなくくりの中に、フルカービングターンが含まれるという関係です。
カービングターン > フルカービングターン
広い意味でのカービングターンは、エッジを使って板のサイドカーブを活かしながら曲がるターン全般を指します。
多少ズレを使っていても、エッジング主体で板をたわませて曲がっていれば「カービングターン」と表現されます。
その中でも、ターン中に板をほとんど横ズレさせず、エッジで雪面を切るように滑るものがフルカービングターンです。
シュプールを見ると、細い2本の線がかなり明確に残り、横方向へのズレがほとんどない状態になります。
先ほどの包丁のたとえで言えば、ズラす量が「ゼロに近いところまでふり切った状態」がフルカービングというイメージです。
ワタル「カービングができない」と悩んでいる方の多くは、じつはフルカービングを基準にしていませんか?
【セルフチェック】カービングターンができているかはシュプールで判定できる
「自分の滑りはカービングになっているのだろうか」これは多くの人が気にするポイントです。
判定はシンプルで、滑ったあとに振り返り、細い2本の線がきれいに残っていればOKです。板が大きくズレていれば、線ではなく面のように削れた跡が残ります。
細い2本線がはっきり残っていれば、フルカービングに近い状態だと考えてよいでしょう。
逆に、線が少し太くても弧の形が保たれていれば、エッジは使えています。「2本線かどうか」は0か100かではなく、ズレの量を測るものさしだと考えてください。
さらに細かく見るなら、次の3点もチェックしてみてください。
- 左右のラインが不自然にズレていないか
- ターン後半だけ急に幅が広がっていないか
- 状況に応じて深いラインも残せるか
上手な人ほど、状況に合わせてより深く力強いラインを残すことができます。
ただし常に深く強いシュプールが正解というわけではありません。雪質やターンの目的によっては、あえて板を弱く使う場面もあるからです。
カービングターンができると滑りはこう変わる
板がズレないということは、雪面をしっかり捉えているということです。
そのため、スピードを落とさずに曲がれる、多少荒れた斜面でもバランスを崩しにくい、疲れにくい、といった変化が出てきます。
ズラして減速していた滑りから、エッジで進む方向をコントロールする滑りへ。ここが初中級者と中上級者の分かれ目になるポイントです。
カービングターンの練習前に整えたい3つの準備
カービングターンは、条件が揃っていないと物理的に成立しません。
技術の前に、まずこの3つを整えてください。ここを飛ばして練習すると、うまくいかない原因が自分の技術なのか環境なのか分からなくなってしまいます。
準備1|サイドカーブのある板とエッジの手入れ
現在販売されているスキー板のほとんどは、中央がくびれた形状のカービングスキーなので、板の形状で困ることはまず少ないはずです。
問題はむしろエッジの状態です。
エッジが丸まっていたり錆びていたりすると、どれだけ正しく傾けても雪面に食い込ませるのが難しくなります。
「角付けをしっかりしているのにズレる」という人は、板ではなくエッジの手入れが原因のことがよくあります。
シーズン初めにはチューンナップに出しておくと安心です。
準備2|練習するのは緩斜面の整地
練習する斜面は、圧雪された緩斜面を選んでください。理想は、朝いちばんのピステンがかかった時間帯です。
急斜面やコブ、荒れた斜面は上級者向けの環境です。雪面が凸凹していると難易度は爆上がり。
斜度がきついと恐怖心からどうしてもずらしてしまいます。「怖くない斜面」でこそ、正しい感覚が身につきます。
準備3|少しスピードをつけてから試す
意外に思われるかもしれませんが、ゆっくりすぎるとカービングターンは成立しません。
自転車やバイクに乗ったことがある人はわかりますがある程度スピードが出ると車体を傾けて曲がります。
カービングターンとはこれと同じような要素がありある程度のスピードと遠心力が必要だからです。
緩斜面でも、少しスピードをつけてから試したほうが感覚をつかみやすくなります。
もちろん、自分でコントロールできる範囲であることと、周囲に人がいないことは必ず確認してください。
スキーのカービングターンのやり方【5ステップ】
ここからが本題です。次の5ステップは、エッジで曲がる感覚を身につけ、少しずつズレを減らしてフルカービングに近づけていく順番になっています。
順番を飛ばすと、間違った動きが癖として定着してしまうので、上から順に進めてください。
- レールターンで曲がる感覚をつかむ
- 外足に体を預けて荷重する
- 上半身は谷向き、脚だけで傾ける
- 切り替えで体を板の上を横切らせる
- シュプールを振り返って確認する
最初にやるのは「レールターン」です。
緩斜面をまっすぐ滑り出し、板をひねらず、ただ傾けるだけで曲がっていく練習です。
感覚がつかみにくい方は、こんな経験を思い出してみてください。
ワタルリフトに乗るときや歩いているときに、スキーのエッジが雪に引っかかって「うわ、引っかかった!」となったことはありませんか?
板を自分からひねったり、テールを振ったりする必要はありません。エッジが雪を捉えてさえいれば、少し重心を動かすだけで板が勝手に曲がってくれます。
レールターンで曲がる感覚がつかめたら、次は外足(ターンの外側になる足)への荷重です。
カービングターンでは、外足のエッジに体重を乗せ、内足には乗せすぎないことがポイントになります。
ここで大切なのは、「力を入れて踏む」のではなくスキーに体を預けるという感覚です。
ワタル力んで踏みつけようとすると、内脚が突っ張ったり、逆に曲がりすぎたりして、板のたわみを引き出せません。
ターンが終わるまで、板を真上から踏んでいるようなイメージを持ってください。
エッジを立てようとして、体ごと内側に倒してしまう人が非常に多くいます。
そうではなく、上半身は斜面の下(谷側)を向けたまま、脚だけを傾けてエッジを立てるのが正解です。
結果として、上半身と脚の向きにズレが生まれ、体が「くの字」に近い形になります。
これを外向・外傾(アンギュレーション)と呼びます。難しく聞こえますが、やることはシンプルで「おへそは行きたい方向、脚だけ倒す」です。
ワタル以下の動画で解説しています
片方のターンができるようになったら、次は左右をつなげます。ターンの切り替えでは、板の上を体が斜め前方に横切っていくような動きになります(クロスオーバー)。
ここで大きく上下動して立ち上がってしまうと、せっかく噛んでいたエッジが外れてしまいます。
桃子目線と肩の高さを一定に保ったまま、両足の傾きを右から左へ入れ替える意識を持ちましょう。
滑ったら必ず止まって振り返り、自分の跡を確認してください。これが最も確実な答え合わせになります。
細い2本線になっていれば、フルカービングに近い滑りができています。線が多少太くても弧が保たれていればエッジは使えているので、そこから徐々にズレを減らしていきましょう。
面のように削れている、ターン後半だけ急に広がっている場合は、そこでエッジが外れているというサインです。
カービングターンができない5つの原因【NG動作】
練習しているのにカービングターンにならない場合、原因はほぼこの5つに絞られます。自分に当てはまるものがないか確認してみてください。
NG1|内脚が邪魔をして外足に乗れていない
外足に荷重できない人に最も多いのが、内脚が邪魔をしているパターンです。とくに両足を突っ張ってしまうと、内足が支えになってしまい、外足にしっかり体重を預けられません。
「外足に乗ろう」と意識するより、内足の力を抜いて軽くする意識に変えると解決することがよくあります。
NG2|テールを振り出して曲がる癖がついている
もうひとつ多いのが、ずらして滑る癖が強く、板のテール(後ろ側)だけを外側に振り出してしまうパターンです。「板をターンさせる=テールを振る」という動きが染みついていると、外足に自然に荷重するのが難しくなります。
この癖は上半身や腰を回してしまう動きとセットで出ることが多く、カービングの最大の壁になります。まずはSTEP1のレールターンに戻り、「ひねらずに曲がる」感覚を上書きしていきましょう。
ワタルテールの振り出し癖はカービング単体の話にとどまらず、その後の上達全体に影響します。心当たりのある方は、ここだけを集中的に直す価値があります。

NG3|板より先に体を内側に倒している(内倒)
エッジを立てたい一心で、上半身ごと内側に倒れ込んでしまう動きが内倒です。体が内側に入ると外足に体重が乗らず、エッジが噛まないまま横に滑り落ちてしまいます。
対処法はSTEP3のとおり、上半身を谷側に向けたまま脚だけを傾けること。倒すのは「体」ではなく「股関節を主体にした脚」だと覚えてください。
NG4|かかと体重・後傾になっている
スピードへの恐怖心から体が後ろに引けると、板の前半分が使えなくなります。カービングターンは板のトップから雪を捉えて曲がっていくため、後傾のままでは上手く弧を描けません。
すねをブーツのタングに軽く当てる意識を持ち、板の前方向に体を進めていきましょう。
怖さが原因のことが多いので、斜度をひとつ落とすだけで直ることもあります。
NG5|いきなり急斜面や荒れた斜面で練習している
技術以前の問題として、環境が合っていないケースです。急斜面ではスピードへの恐怖から必ずずらしてしまいますし、荒れた斜面ではエッジが弾かれて雪を捉えられません。
カービングターンが安定する練習ドリル3選
5ステップと並行して、次のドリルを取り入れると習得が早くなります。どれも緩斜面の整地で行ってください。
ドリル1|内足上げターン
内足を軽く持ち上げ、外足1本だけでターンする練習です。内足が使えないぶん、外足に乗るしかない状況を作れます。上半身や腰を回してしまう人は、この状態だとバランスを崩すため、自分の癖にすぐ気づけます。
いきなり大きく上げる必要はありません。まずは内足のトップを外足のトップに軽く重ねるところからで十分です。
ドリル2|ストックを雪面に引きずるターン
両方のストックを大きく左右に広げ、少し前に出し、先端が常に雪面に触れている状態でターンします。自然と重心が低くなり、目線と肩の高さを一定に保てるようになります。
切り替えで立ち上がってしまう人、体を回してしまう人、山側に倒れてしまう人はストックが雪面から離れるため、その場でミスが分かるのがこのドリルの利点です。
ドリル3|斜滑降からの片方向レールターン
左右をつなげようとせず、1ターンだけに集中する練習です。斜滑降から板を傾け、そのまま斜面を切り上がって止まる——ここまでを1本とします。
切り替えの難しさを一度取り除けるので、「エッジで曲がる」感覚だけに集中できます。得意な方向と苦手な方向がはっきり分かるのもメリットです。
スキーのカービングターンに関するよくある質問
初心者でもカービングターンはできますか?
ボーゲン(プルークボーゲン)の段階では難しく、まずはズラすパラレルターンができるようになってからが現実的です。ただし、STEP1のレールターンだけなら比較的早い段階でも体験できます。緩斜面で「傾けるだけで曲がる」感覚を先に知っておくと、その後の上達がスムーズになります。
カービングスキーでないとできませんか?
現在市販されているスキー板はほとんどがサイドカーブのあるカービングスキーなので、通常の板であれば問題ありません。ただし、くびれの少ない古いストレートスキーでは板がたわみにくく、かなり難しくなります。板の形状より、エッジが手入れされているかどうかのほうが影響は大きいです。
ずらすターンはもうしなくていいのですか?
いいえ、ずらしは必要です。カービングとずらしは対立する技術ではなく、板の使い方の量が違うだけのもの。斜度がきつい場所、混雑した場所、雪が荒れている場所ではずらして速度を調整します。両方を状況に応じて使い分けられることが本当の上達です。
スノーボードのカービングとは何が違いますか?
エッジで雪を切るという原理は同じですが、スキーは左右2本の板をそれぞれ操作する点が大きく異なります。とくに外足・内足という役割分担があり、外足への荷重が中心テーマになるのはスキー特有です。スノーボード向けの解説をそのまま当てはめないよう注意してください。
スピードが出すぎて怖いときはどうすればいいですか?
ターンの弧を大きくし、山側に向かって切り上がる部分(山回り)を長く取ると自然に減速できます。それでも怖い場合は斜度を落としてください。怖さを我慢して滑ると必ず後傾になり、カービングとは逆の動きが身についてしまいます。
習得までどれくらいかかりますか?
レールターンで「傾けるだけで曲がる」感覚をつかむだけなら、緩斜面で集中して取り組めば1日で手応えを感じる方もいます。ただし、さまざまな斜度や雪質で安定してカービングできるようになるには、シーズンをまたいだ継続的な練習が必要です。焦らず、正しい形を積み上げていきましょう。
まとめ|カービングターンは「準備→レールターン→外足荷重」の順で身につく
スキーのカービングターンは、才能ではなく順番で決まります。最後にもう一度、要点を確認しておきましょう。
- カービングとずらしは量の違い
- 判定基準は細い2本のシュプール
- 練習は緩斜面の整地で行う
- まずレールターン、次に外足荷重
- つまずく原因は内足とテール振り
次にゲレンデへ行ったら、いきなり全部をやろうとせず、まずは緩斜面でレールターンだけを試してみてください。滑ったあとに振り返って、細い2本線が少しでも残っていれば、そこがスタート地点です。
とはいえ、カービングターンでつまずく原因は、内足の使い方やテールを振り出す癖など、自分では気づきにくい動きにあることがほとんどです。何シーズンも同じところで止まってしまう方が多いのも、この「自分の癖が見えない」という理由からです。
ワタル・桃子最短で身につけたい方は、一度その場で見てもらうのがいちばん確実です。SnowHubでは、これまで1000人以上を指導してきたインストラクターが対面レッスンを行っています。その日のうちに癖を見つけて修正できます。


