元モーグル日本代表が教える!スキーのコブ専用「パワーポジション」の作り方
桃子私の師匠呼んできたよ
みんな参考にしてね!
西伸幸さんKFBS代表の西です!よろしくお願いします!
「コブに入るとすぐお尻が落ちてしまう」
「どうしても暴走する」
「ラインからはみ出る」
このような悩みを持つ方を多く見てきました。
実は基礎スキーで習ったポジションをそのままコブに持ち込んでいるのが原因かもしれません。
スキーのコブ(モーグル)滑走には、
専用の「パワーポジション」があります。
実は整地(基礎スキー)のポジションとはほぼ真逆で、知らずに整地の感覚のままコブに入ると、多くの人は同じところで行き詰まってしまいます。
この記事では、コブレッスンの実演をもとに、パワーポジションの作り方を手順ごとに、理由も含めて解説します。
①基礎スキーとコブでポジションが真逆のワケ
②パワーポジションの作り方の手順
③目線・上半身の向きの整え方
監修:西伸幸(元モーグル日本代表・オリンピック3大会出場)
なぜスキーのコブでは基礎スキーと真逆のポジションになるのか

基礎スキーでは、
- 懐に大きなボールを抱えるよう背中を丸め
- 顎を引いて進行方向を見るポジション
というパターンが多く見受けられます。
横から見ると背中がふんわり丸まった形になり、目線もやや下向きになります。
ところがスキーのコブでは、これが全て真逆になります。
背中は丸めず、顎はむしろ上げるのがポイントです。
この「胸を起こし、顎を上げた」
姿勢はパワーポジションと呼ばれます。
フィジカルトレーニングの世界の考え方がベースになっており、丸めずにむしろ胸をぐっと起こした状態です。
足首・膝・股関節の3点をぎゅっと曲げていく姿勢です。


基礎スキーのポジションでコブの登り面に入ると、
顎が下がって背中が丸まり、足首の角度が入らなくなります。
(以下の画像のようになる)

- 足首が使えない
- 吸収の役割をお尻とお腹周りが肩代わり、
- 結果としてお尻が落ちる「後傾」
という悪循環になってしまうのです。
パワーポジションを使うと、
胸を起こしている分お尻が後ろに逃げにくくなり、
足首がしっかり曲がるので登り面で後傾になりません。
「コブで飛ばされる・止まれない」
という悩みの多くは、実はこのポジションの違いが原因になっています。
- コブと基礎スキーはポジションがほぼ真逆
- コブでは背中を丸めず、顎を上げる
- 基礎スキーのポジションのままだと後傾になりやすい
パワーポジションの作り方【STEP解説】

まず上半身は胸をしっかり起こします。
喧嘩で胸ぐらを掴まれてグイッと引き上げられるようなイメージで、胸を起こした状態を作ります。
丸めた状態からのスタートだと、この後どれだけ関節を曲げても腰から折れたような姿勢になりやすいので、まずは「胸を起こす」ところから始めるのがコツです。

胸を起こした姿勢のまま、足首・膝・股関節の3点をある程度均等に曲げていきます。
ここが最も崩れやすいポイントです。
足首が曲がらないまま膝と股関節だけ曲げてしまうと、上半身が前に被ってしまいます。
そうなるとコブの吸収に使えるスペースがなくなってしまいます。
逆に足首だけ曲げすぎても膝が伸び切ってバランスを崩しやすくなるので、「3つの関節を同じくらいの角度で」を意識しましょう。

最後に顎を上げます。
胸を起こす・関節を均等に曲げる・顎を上げる、この3つが揃った状態が完成形のパワーポジションです。
顎が下がっていると視界だけでなく背中の丸まりにも直結するため、パワーポジション作りの最終チェックポイントとして必ず確認しましょう。

カービングスキーでもモーグル専用板でも、取るべきパワーポジションそのものは変わりません。
ただしカービング系の板は勝手に曲がってくれる分、膝をトップ方向にまっすぐ踏み込むだけでOK。
西伸幸さん細いモーグル専用板の場合は、勝手には曲がってくれないので、膝をやや内側に入れながら自分でずらしてターンを作っていくイメージになります。
- STEP1:胸を起こす
- STEP2:足首・膝・股関節を均等に曲げる
- STEP3:顎を上げる
まずは止まった状態で練習してみよう
いきなり滑りながら覚えるのは難しいので、まずは止まった状態で作る練習がおすすめです。
滑走中は情報量が多く、姿勢どころではなくなりがちです。
静止状態で体に覚え込ませておくと、コブの中でも同じ形を再現しやすくなります。
膝と股関節は伸ばしたまま、足首だけを曲げる

曲がりきったら、圧を抜かずに膝と股関節も曲げていく

最後に顎を上げて完成

逆に胸を起こす意識をしっかり持てていれば、お尻や腰が後ろに引けてくることはありません。
この「圧を保ったまま曲げられているか」が、良いパワーポジションかどうかの分かりやすい判断基準になります。
西伸幸さんブーツが硬め(フレックス140など)で前に入りづらい場合は、一番上のバックルを外してパワーベルトだけにすると、足首が動きやすくなりパワーポジションが取りやすくなります。
ワタル実際にトライした体感としては
基礎スキーのセンターポジションより30cm以上前よりだと思います。
- 足首だけ曲げる
→膝・股関節も曲げる、
の順で練習 - 圧を抜かずに曲げられているかが判断基準
- ブーツが硬い場合はバックル調整も有効
スキーのコブ滑走、目線は6〜7コブ先。広い視界で更新し続ける
パワーポジションと合わせて意識したいのが目線です。
理想は6〜7コブ先を見ることです。
(KFBSのコブを想定)
ただし、そこをピンポイントで見てしまうと、
滑るにつれてコブがどんどん近づいてきます。
目線を固定したままだと、
結果的にだんだん下がってしまうので注意が必要です。
ポイントは、6〜7コブ先を
広い視界で全体的に見ながら、常に更新し続けることです。
最初から6〜7コブ先を見るのが怖い場合は、
2〜3コブ先から始めてみましょう。
狭い視界でピンポイントに見るのではなく、
上から見下ろすような広い視野で捉えるのがコツです。
あわせて、上半身の向きも重要です。
板が向いている方向(進行方向の三角形)よりも、
上半身は少し正面方向に向けておく意識を持ちます。
プルークのようにゆっくり滑れているうちはそれほど気になりませんが、スピードが上がってくると話は別です。
上半身が板と同じ方向を向いたままでは、
コースアウトしたり板が発射してしまったりしやすくなります。

- 目線は6〜7コブ先を広い視界で見る
- 怖ければ2〜3コブ先からでOK
- 上半身は板よりやや正面方向へ向ける
ワタル僕も試してみましたが、正しくパワーポジションが取れていると目の前のコブは見ることができません。
プルークからコブへ。実践のコツ
いきなりコブの中で挑戦する前に、まずは整地でのプルーク滑走でパワーポジションを意識してみましょう。
板と体の向きは同じ方向のままでかまいません。
ポイントは、滑り出す前に必ず
いいパワーポジションを1回作ってからスタートすることです。
なんとなく滑り始めてしまうと、
途中で姿勢が崩れやすくなります。
プルークでコブに慣れてきたら、上半身を正面方向に向けながら滑る練習にステップアップしていきます。
この時、外足側の肩や上半身がわずかに下がったり、外足側だけ前に出てしまったりすると要注意です。
上半身の向きが板と同じ方向に流れやすくなってしまいます。
肩のラインと腰のラインで作る「長方形」の形をキープする意識を持つと、外足にしっかり乗り続けられます。
上半身の向きも安定しやすくなります。

- 整地プルークでまずパワーポジションを練習
- 滑り出す前に必ずポジションを1回作る
- 肩と腰の「長方形」をキープする
スキーのコブでやってはいけないこと
まとめ
スキーのコブ滑走で最も大切なのは、
なんといってもパワーポジションです。
①胸を起こす
②足首・膝・股関節を均等に曲げる
③顎を上げる
この3つをまずは止まった状態でしっかり作れるようにしましょう。
そのうえで目線を6〜7コブ先に置き、上半身の向きと肩・腰の「長方形」を保つ練習を重ねていきましょう。
整地のプルークで作った意識をそのままコブに持ち込めるようになれば、後傾で飛ばされることなく、長い距離を滑れるようになっていきます。



