【スキー】パラレルターンのやり方|1000人を教えた現役コーチが”揃える”2つの練習法を解説
ボーゲン(ハの字)では滑れるようになったのに、いざ足を揃えようとすると、ターンのたびに板が開いてしまう……。「パラレルターンって、やっぱり自分には難しいのかな」と感じていませんか?
その気持ち、すごくよく分かります。教程どおりに「プルーク・横滑り・シュテムターン」と練習しても、何から手をつければいいか分からず、途中で迷子になってしまう人はとても多いんです。じつは、パラレルが揃わないのにははっきりした理由があります。
この記事では、のべ1000人以上を指導してきた現場の視点で、遠回りせずにパラレルへ繋げる「2つの入り口」をやさしく解説します。むずかしい理論は最小限。今日のゲレンデですぐ試せる練習法だけに絞りました。
特に「ボーゲンはもう卒業したい初心者〜初中級者」の方に読んでほしい内容です。
結論:パラレルターンは「止まる動作」から繋げるのが最短
パラレルターンを最短で身につけたいなら、結論はシンプルです。「板を揃えて止まる動作」を、だんだん滑りに繋げていく——これが、現場でいちばん伝わりやすい近道です。
教程では「プルーク・横滑り・シュテムターン」という3つの練習が王道とされていますが、初心者ほど手順が多くて迷子になりがち。そこで私たちは、これを「ハの字で滑り込む」「止まる時だけ板を揃える」という2つの入り口に絞って指導しています。
ワタル順番にぜんぶこなす必要はありません。どちらか自分に“ハマった”方で滑れるようになれば、それでOKですよ。
詳しくは本文で。まずは「パラレルターンとは何か」から、サクッと整理しましょう。
そもそもパラレルターンとは?ボーゲンとの違い
パラレルターンとは、ざっくり言うと板を平行(パラレル)に揃えたまま左右に曲がる滑り方のこと。ハの字に開くボーゲンと違い、スピードに乗ってスマートに滑れるのが魅力です。
ボーゲンとの最大の違いは、エッジ(板の刃)の使い方にあります。
ボーゲンは両足の内側のエッジ(インエッジ)だけで滑りますが、パラレルでは外側の足の「外エッジ=小指側」も使う必要があります。
今まで使ってこなかったアウトエッジが、後で出てくる難しさの正体です。



難しい用語は覚えなくて大丈夫。「ボーゲンは内エッジだけ、パラレルは外エッジも使う」——ここだけ押さえればOKです。


なぜスキー初心者にパラレルターンは難しいのか
ボーゲンはできるのにパラレルで詰まるのは、根性や運動神経のせいではありません。理由は大きく次の3つです。
- ターン内側の足が邪魔になる:板を揃えるには、内足を持ち上げずにそのまま曲げていく動きが必要になります。
- 外エッジ(小指側)を使った経験がない:ボーゲンは内エッジだけ。いわば「授業で習っていない範囲がテストに出ている」状態なので、難しく感じて当然です。
- 自力でターンを始動しなければならない:ボーゲンは板を開いた時点で外足が勝手に仕事をしてくれますが、パラレルは自分でターンのきっかけを作る必要があります。
この「難しい理由」は、動画でさらに詳しく解説しています。文字だけだとピンとこない部分は、実際の動きで確認してみてください。



数日でできた!と言ってる方が多くいますが、ぶっちゃけ多くの場合できていません。
SAJ(スキー連盟)の教程では?プルーク・横滑り・シュテムの「三本の矢」
スキー教程では、パラレルへ近づくための練習として「プルーク」「横滑り」「シュテムターン」の3つが紹介されています。それぞれが別の道からパラレルに合流していくイメージで、SAJでは前から「三本の矢」と呼ばれてきました。


3本それぞれ王道の練習法ですが、初心者にとっては「で、今どれをやればいいの?」と迷子になりやすいのも事実。そこで現場では、この3本を次の「2つの入り口」に絞って伝えています。



現場で1000人以上教えてきた経験でお伝えすると、教程を1本ずつなぞるより、“止まる動作”や“ハの字のまま揃える”から入った方が、圧倒的に早く揃うということです。



教程で伝えている内容を僕なりに噛み砕いた形が下記の様な指導法に繋がっています。
【実践】現場で伝わる、パラレルに繋げる2つの入り口
ここからが本題です。大事なのは、たくさんの手順を順番に全部こなすことではありません。



下の2つの入り口のうち、
どちらか自分に“ハマった”方で
滑れるようになればOKです。
入り口①:ハの字で滑り込みながら、自然に板を揃える
1つめは、ハの字(プルーク)でいつも通り滑り込みながら「ちょっとだけ板を揃えてみようかな」という感覚を持つ方法です。あるいは、ターンの内側の足だけを真っ直ぐにしてみる。これだけで、いつの間にかパラレルに近づいていきます。
これはSAJで言えば「プルークからの展開」に近い入り口です。ハの字で滑れる人なら、今日からすぐ試せます。



SAJの教程ではアウトエッジ側の感覚の説明がさらっと飛ばされています。初心者にとって初めてターン中にアウトエッジを使うのがここのタイミングで超重要です。
入り口②:「止まる動作」を繋げてパラレルにする
もうひとつは、「止まる動作」から繋げる方法です。板を揃えてパッと止まると、ちょっとカッコいいですよね。じつはあの“揃えて止まる”動きこそが、パラレルの種なんです。次の流れで育てていきます。
まずはボーゲンで滑り、止まる瞬間だけ板を平行に揃えて、ピタッと止まる練習をします。滑走中はハの字のままでOK。「止まる時に揃える」だけに集中しましょう。
揃えて止まる動きに少しスピードを足し、「急停止」として繰り返します。板を横向きにして雪を削り、シュッと止まる感覚をつかみます。
次は斜めに滑り出し(斜滑降)、その進んでいる方向へ向かって急停止します。まっすぐではなく「斜めから止める」ことで、ターンの形に近づいていきます。左右どちらの向きでも練習しましょう。
左右の急停止を繋げていくと——じつは、もう止まりません。この“止まりきらない急停止の連続”こそが、パラレルターンです。



急ブレーキを学べばあとは恐怖心も消え板も揃ってくる。一石二鳥です!
こちらはSAJで言えば「横滑りからの展開」に近い入り口です。スピードが怖い人は、まずこの「入り口②」から入ると安心して取り組めます。
パラレルターン練習でやってはいけないこと
最後に、練習でやりがちなNGを1か所にまとめます。逆に言えば、これを避けるだけで上達はぐっと早まります。
- いきなり急斜面で試す:怖くて体が固まり、外足に頼りすぎてフォームが崩れます。まずは止まれる程度の緩斜面で。
- スピード不足のまま揃えにいく:パラレルにはある程度のスピードが必要です。遅すぎると板が言うことを聞きません。
- 上半身を大きく捻ってターンする:パラレルは下半身が主役。上体は進行方向へ向け、ひねりは最小限にします。
- 内足を“持ち上げて”揃える:持ち上げるとバランスを崩します。持ち上げずに、内足をひねって添えるのが正解です。


パラレルターンのよくある質問(FAQ)
- パラレルターンは何日くらいで習得できますか?
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個人差はありますが、ボーゲンが安定している方なら、ポイントを押さえた練習で1〜数日でも「揃う瞬間」を作れます。スクールやレッスンで基礎を学べば、短期間でもぐっと近づけます。
10日あればパラレルターンで常時滑れるくらいにはなっているはずです。
- ベーシックパラレルとカービングのパラレルは何が違う?
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ざっくり言うと、ベーシックパラレルは板を横にズラしながらスピードを調整して揃える滑り、カービングのパラレルはズラさずに板のたわみ(サイドカーブ)を活かし弧を描く滑りです。まずはベーシックから習得しましょう。
- パラレルの次は何を練習すればいい?
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スキーは「技法」✖️「ターンサイズ」✖️「滑る場所」という式が成り立ちます。
今回はパラレルという技法を学びました。次はターンサイズ(大きなターンや小さなターン)を調整するフェーズに入ってきます。
おそらく、ターンサイズを気にせず練習してきたと思いますがターン弧を少しずつ小さくしていき、ショートターンのリズムに挑戦してみてください。
まとめ:パラレルターンは「入り口」さえ合えば近づける
パラレルターンは「特別な才能」ではなく、入り口さえ合えば誰でも近づけます。最後に要点をおさらいしましょう。
- ボーゲンとの違いは「外エッジも使う」こと
- 難しい理由は内足・外エッジ・自力始動の3つ
- 現場のおすすめは「ハの字で滑り込む」「止まる動作を繋げる」の2つの入り口
- どちらか“ハマった”方で滑れればOK
あとは実際のゲレンデで試すだけ。まずは緩斜面で、今日紹介した2つの入り口のどちらかから始めてみてください。



「自己流だと不安」「最短で揃う感覚を掴みたい」という方は、予習に動画レッスンを使うのが近道です。現役コーチがあなたの滑りに合わせてアドバイスします。




