【基礎スキー】プルークで確認!ナショナルデモが教える正しい「高いポジション」と荷重感覚
今回の指導では、多くのスキーヤーが陥りがちな「ポジションの低さ」を改善し、正しいターン前半の動きを作ることに焦点を当てています。
低速域においては、単に関節を曲げるだけの「曲げ荷重」ではなく、少し高い位置で内旋をかける感覚が重要です。
過度に膝から曲げに入ると、怪我のリスクが高まるだけでなく、重心とスキーの距離が近くなりすぎてエッジが寝てしまい、横滑りが発生しやすくなります。
この問題を解決するため、股関節を意識した伸展位からの荷重と、脚部の**ねじり(内旋)**を活用する具体的な方法を解説します。
このトレーニングは、プルークで確認したい内旋と荷重感覚を、基礎パラレルターンに活かすことにつながります。
ポジションの低さを防ぐ!「高いポジション」の維持と内旋の導入

ターン動作において、過度に関節を屈曲させる(曲げ荷重)姿勢は、リスクを高めます。
- 膝などから回しやすくなり、怪我のリスクが高くなる。
- 体が折れすぎると、スキーと体の重心の距離が近くなり、エッジが寝る方向に作用し、横滑りを起こしやすくなる。
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正しいポジションを作る意識

正しいポジションを取るためには、まず足が伸びている状態を意識します。
曲げ荷重をする際、足首は少し入れるものの、下げすぎないように太ももの裏などで壁を作るような感覚を保ちます。
この「足が伸びた状態」であれば、膝や足首が入り込む余地が少なくなるため、内旋の動きは自然と股関節から行われるようになります。
骨格を活かす荷重術:「伸展位」から「ドンと落とす」感覚

荷重を行う際は、力を入れて強く踏み込むのではなく、立ち上がって伸展したポジションから、目安として「ドンと落とす」程度の運動量で十分な荷重がかかります。
これ以上の運動量を力で行おうとすると、ブーツのフレックス以上の前傾はできず、かえって膝や股関節が過度に屈曲することにつながります。
荷重時の注意点:腰を後ろに引かない

特に注意すべきは、荷重時に腰が後ろに引けて下がってしまうことです。
腰が下がるとエッジが立たなくなります。
これを防ぐために、後ろに壁があるイメージを持ち、腰が後ろに入らないように少しお腹に力を入れましょう。
理想的な荷重は、筋肉の力で無理に動作を行うのではなく、骨格を使ってボンと重心を乗せてあげることです。
伸展したポジションを保ちながら、反力にと自分が帰っていく(押し返される)動きに合わせて、股関節から大腿部を内旋させることが、ターン前半のスキーの動きを出す鍵となります。
内旋の応用:プルークスタンスで確認する「迎え角」
内旋は、足首、膝、股関節、肩といった全身が一体となって動いてしまうと、スキーの向きが変わらず、ターン後半に板が回ってこない原因となります。
正しい内旋=「迎え」の姿勢

正しく内旋がかかっている状態とは、自分の体の向きに対してスキーの向きが変わり、クロスするような姿勢ができることであり、これは「迎え角」と呼ばれます。
この動きは、プルークスタンス(開いたスタンス)である程度準備されていますが、さらに股関節から下を使って向きを変えるように動かし、脚部にねじりのストレッチがかかるような感覚を作り出すことが重要です。
滑りの中で、内旋が肩まで及んでしまわず、ブーツのベロに重心をストーンと預けるような感覚を意識しましょう。
股関節から下のねじりに集中することで、基礎パラレルターンに必要な内旋を正確にかけることができます。
まとめ
基礎スキーの安定したターン前半を作るには、「高いポジション」でスキーを捉えることが重要です。
荷重の際は、過度な曲げや筋力に頼らず、伸展位から股関節を使った重心の移動と内旋を連動させましょう。
特にプルークスタンスで練習し、股関節から下のねじりによる「迎え」の感覚を掴むことが、ポジションを崩さず質の高い基礎パラレルターンへ移行する鍵となります。
